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色柄を持たないパンツはく山崎すぐると、彼の担任の中村大悟」番外07頭髪検査と懲罰床屋1980のスピンオフ

「大悟の兄貴・圭悟と県立一高の仲間たち」 パート8 ボツネタ 01 谷岡先輩のケツバット指導
 

 ボツ事由

 スピンオフ06・第七節において、1年生にケツバット指導をしなければならなくなった宮林真司が回想するシーンとして記述予定だったが、冗長の感が否めないので、ボツとした。

 

 主将になるにあたり、よりフラットで上下関係のない野球部とするため、「ケツバットをしない主将」を目指していた宮林真司。しかし、それに理解を示す同輩や先輩は少なかった。そして、先輩の谷岡は・・・。

 

 夏休み明け。3年生部員たちが受験勉強に専念するため部活を「引退」し、2年生・宮林真司を新主将とする硬式野球部・部活動も本格始動の頃。

 そんな9月のある日。昼休み。2年C組の教室の後ろの方で、宮林真司は、同じ部活で副主将を務め、親友でもある田所裕太、そして、同じチームメートで2年B組の高井と徳原とともに、仲良く弁当を食べていた。2Bの徳原と高井は、本来、2Bの教室で昼食をとらなければいけないのだが、昼のホームルームが終わり、クラス担任が職員室へ戻ってしまうと、そんなルールは「シカト」して、仲の良い部活仲間と昼飯を一緒に食べるのである。

 四人とも、アルミニウム合金製の真四角な弁当箱。いわゆる「ドカベン」が2箱ずつ。1箱はごはんと梅干の「日の丸弁当」。そして、もう1箱にはおかずがつまっている。さらに、進学校とはいえ、先生からの拳骨覚悟で、早弁(はやべん)用のもう1箱を持ってくる運動部員も多かった。

(太朗注:ドカベン・・・ドカッと大きな弁当箱の意味。水島新司(みずしま しんじ)の同名漫画の主人公・山田太郎のあだ名でもある。弁当箱の外観や中身は、

http://mondbar.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_d259.html 

を参照のこと。)

「なんだ、裕太、いつもの弁当箱と違うじゃん!」

「そうだよ、彼女がつくってくれた弁当はどうしたんだよ!!」

と、徳原と高井が、田所裕太のことをからかう。

「うるせぇ!!もうアイツのことはいいんだ!」

「アイツだってさ!!うーうー、熱いなぁ!!」

「うるせぇっていってんだろ!!もういい!!」

「アイツって、緑ヶ丘の子のこと?」と宮林。

 田所裕太は、県立緑ヶ丘高校の相原美幸とつきあっていた。そして、彼女が作ってくれた昼飯がつめられた、かわいい花柄のプラスティック製丸型弁当箱を持ってきては、昼休みに部活仲間、そして、クラスメートに自慢することが、田所の1学期の日課だったのである。しかし、2学期になってから、田所の弁当箱は、以前と同じ、無骨で真四角なアルミニウム製の弁当箱に戻っていた。

「まっ、まぁな・・・」

と顔を赤らめる田所。

「ふられちゃったんだよなぁ!!押し倒して!!」

と、高井が、そこらへんの事情を暴露する。

「しゃ、しゃべるな!これ以上、しゃべったら、おまえのこと、ころす!!」

「田所さん!!そこらへんのこと、もうちょっと具体的に詳しくうかがいたいんですけど!!」

と、高井と徳原がニヤニヤしながら、箸をマイクのように持って、田所の方に向け、テレビでよくみる芸能リポーターのマネをする。

 田所は、それでもやはり自慢をしたいのか、

「うまくいく流れだと思たんだけどなぁ・・・『田所君のこと信じていたのに!!もうサイテー!!』バッチィ〜ンだもんなぁ・・・あのビンタは、横山さんのケツバットよりこたえたぜ・・・」

とつぶやくように話すのだった。

 田所が彼女にふられたワケを察し、まじめな宮林は、頬をわずかに染めるのだった。そして、ふと教室の窓から、グランドの向こうにある部室の方に目をやるのだった。主将となり、部室の「主」となった宮林。荒井監督から部室の鍵の管理も任され、いままで以上に、教室の窓から部室を眺めることが多くなったのだ。

「あっ・・・1年生かな、また部室のドア、開けっ放しだ・・・。」と宮林がつぶやく。ホームルームが終わった直後の昼の弁当タイムで、部室には誰もいないはずであった。

「ったく、ちゃんと閉めろってあれほどいったんだぜ・・・よし!!オレがみてくる!!もし、1年の閉め忘れだったら、オレに任せろ、今日こそ、しっかり指導して締めてやる!」と田所。

 しかし、宮林は、血気盛んな田所をとめて、

「オレがみてくる・・・。」

と立ち上がる。

「1年のヤツらだったら、今度こそ、ちゃんと指導してくれよ!」と田所。

「あぁ・・・もちろん、大丈夫だ・・・」

 そういうと、宮林は、食べかけの弁当箱にフタをして、部室の方へ向かうのだった。

 

「おい!!誰かいるのか?」

 そういいながら、部室に入っていく宮林。

「よぉ!!久しぶりだな!!」

「あっ、谷岡さん・・・し、失礼しました・・・1年生がドア閉め忘れたのかと・・・自主練ですか?」

 「引退」後の3年生OBが、部室にやってきて、自主練などのために、ユニに着替えたり、用具を持ち出していくことはしばしばあった。しかし、谷岡先輩一人なのは、やや奇異であった。

「まあな・・・ところで・・・」

「はい・・・なんでしょうか・・・」

 谷岡は、ちょっと顔をあからめて、なにか言いにくそうな表情をしている。宮林は、そんな谷岡に気持ちを忖度してか、

「先輩・・・なにかあれば、遠慮なくどうぞ・・・」

と言う。

「いや・・・どうでもいいことなんだが・・・主将として、後輩の指導、しっかりやってっか?」

「ま、まあ・・・自分なりにがんばってます・・・」

 宮林は、やや顔を曇らせる。田所や、そして、3年生の横山に、「お前は甘すぎる!!もっと厳しく指導しろ!!」と、夏休み以来、しばしば言われていることがふと宮林の頭をよぎる。谷岡先輩にも同じことを言われるのではと予感したのだった。

「ケ、ケツバットとか・・・もうやったのか?」

 そう聞く谷岡先輩の声は、ややうわずり、さっきよりも真っ赤な顔になっている。

 宮林は、谷岡先輩の様子がやや変だとは思ったが、一番聞かれたくないところを突かれたという思いの方が強かった。県立一高は、進学校ではあったが、硬式野球部にはやはりケツバットがあり、その後輩指導法は、先輩たちから、綿々と受け継がれてきていた。そして、1年生に整列をかけ、ケツバット指導し、後輩たちのケツに、新指導者が誰なのであるかを印象付けることは、新主将にとって、いわば、通過儀礼ともなっていたのだ。

 宮林は、谷岡先輩の様子に、ある種のとまどいを感じたのか、横山先輩には面と向かって言えないことを、一気に言ってしまう。

「自分は、いままで後輩にケツバットしたことないですし、自分のやり方ではないと考えてます!!」

 しかし、その言葉は、後輩指導法に関する会話をここで終わらせたいと思う宮林の気持ちとは裏腹に、谷岡先輩に「きっかけ」を与えてしまうのだった。

「なに?後輩にケツバットをしたことがない?それはいかんなぁ・・・後輩になめられでもしたら、どうするんだ?よし!!オレのケツを後輩のケツだと思って、練習してみろよ!!」

 さっきまでとは打って変わって、谷岡先輩の様子に戸惑いはなかった。そして、部室のドアをバタンと閉めると、持ってきていた谷岡愛用の木製バットを宮林の前に差し出すのだった。谷岡のスラパンに包まれた股間のイチモツは、ドクッドクッと、脈打ち始めていた。

「えっ・・・そ、それは、やばいですよ・・・」

と、驚いたような顔をして言う宮林。しかし、先輩に対する遠慮なのか、さっきまでとは違い、宮林は、はっきりと自分の気持ちを言えないのであった。

「大丈夫だ!先輩のオレがいいといってるんだ!やばくなんかない!」

と、谷岡先輩は、いつもにはない強い調子で言う。そして、手に持った木製バットを宮林に押し付けるように渡すのだった。

 そして、谷岡は、整理整頓された部室の、何も置かれていないやや広くなった場所に、両足を広げて立つと、

「ネガイシャス!!」

とデカい声で言って、いつものように、万歳して上体をやや傾け、ケツを後ろへ突き出すのだった。

「ネガイシャス!!」

 谷岡先輩のケツバットを願い出るデカい声が部室内に響き渡る。有無を言わせんとばかりの谷岡の雰囲気に飲まれてしまう宮林は、そこからどうにか早く逃げ出したいと思う一心で、仕方なくバットを握り、

「じゃ、じゃあ・・・失礼します・・・」

と言うのだった。

「よし!!いいか、ケツポケットの下あたりに狙いを定めるんだ!!そして、下から上に狙い撃ちする感じだ!!やってみな・・・ネガイシャス!!」

 谷岡は、ゴクリと生唾を飲む。そして、抑えきれない股間の高まりをどうにかコントロールしようとするのだった。

「し、失礼します・・・」

 しかし、宮林のその応答は、谷岡の高まった気持ちを一気に萎えさせる。

「後輩に失礼しますじゃ、おかしくねーか?」

「ま、まあ・・・でも、谷岡さんは、自分の先輩ですから・・・」

「よし!!谷岡修平は、2回留年して、本日、めでたく、お前の後輩になった!!よって、宮林先輩!!気合入れ、ネガイシャス!!」

 谷岡の強引なロールプレー提案に、宮林は、とまどいながらも、「谷岡先輩の指示に従う意外もう逃げられない、早く谷岡先輩を満足させて、一刻も早く部室から出ていきたい・・・」という気持ちから、バットを構えて、

「よし!!行くぞ!!」

と言い、谷岡先輩の指示通り、谷岡先輩のユニズボンのケツポケットの下あたりをバットで、

バン!!

と打つのだった。

「ば、場所はそれでいいぞ・・・た、ただ、も、もうちょい、強めで頼む・・・宮林先輩!!気合入れ、ネガイシャス!!」

「えっ・・・・じゃ、じゃあ・・・よし!!行くぞ!!」

バン!!

「う〜〜ん・・・もうちょいつよめ、遠慮はいらねーぞ・・・宮林先輩!!気合入れ、ネガイシャス!!」

「えっ・・・だったら・・・谷岡!!歯をくいしばれ!!行くぞ!!」

バン!!

「あっあぁ・・・い、いい・・・そのセリフ最高・・・強さもちょうどいい・・・あっあぁ・・・い、いっちゃう・・・いくぅ・・・」

 谷岡は、ケツではなく、股間をギュッとおさえると、その場にうずくまってしまうのだった。

 驚いた宮林は、自分のバットが、谷岡のタマを間違えて打ったのではないかと心配になり、

「す、すいません・・・せ、先輩・・・だ、大丈夫ですか?」

と、うずくまっている谷岡に、心配そうに尋ねる。

「な、なんでお前が謝るんだ?さ、最高だったぜ、いまのケツバット・・・サンキュ・・・」

 うずくまっている谷岡は、宮林の方を見上げ、なんともいえない満足そうな笑みを浮かべるのだった。

「えぇ・・・。」

 宮林は、その笑みに、何とも言えない不気味なものを感じ、思わずゾクっと鳥肌が立つ。そして、

「し、失礼します・・・」

とだけ言うと、逃げるように部室から出ていくのだった。

 一人残された谷岡は、おもむろに立ち上がると、

「あーあ、いっちゃった・・・でも、アイツのケツバット、最高だったな・・・もしかして素質あるかも・・・まあしかし、部室のドア、開けっ放しで出ていくなんて、主将としてはアイツもまだまだだな・・・横山あたりのケツバット指導が必要かもしれん・・・」

とつぶやくのだった。谷岡の練習用・白ユニズボンの股間には、濃いクリーム色の染みが浮き出ていた・・・。

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