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「色柄を持たないパンツはく山崎すぐると、彼の担任の中村大悟」番外07頭髪検査と懲罰床屋1980のスピンオフ

「大悟の兄貴・圭悟と県立一高の仲間たち」 パート9 プチスぺャル 03 男だけの夏休み 1977 〜真司の成長秘話〜

 

一、プロローグ 真司の反抗

 温和でやさしい性格の宮林真司は、いままで、親が決めた方針に逆らうことはほとんどなかった。しかし、中学1年生の6月、部活の練習から帰ってきた真司は、めずらしく、両親の決めたことに「反抗」するのだった。

 宮林家の居間。

「ボク、夏休み、田舎いかなくてもいいでしょう・・・野球部の合宿もあるし・・・」

「ダメよ、真司。とうさんが、せっかく、家族五人でもゆったり乗れるファミリーバンをレンタカー予約してきたんだから。それに、野球部の合宿は終わっているはずよ、お盆なんだから。」

「そうだけどさ・・・ねぇ、いいでしょう、いかなくても・・・」

「あ、そうだ。おじいちゃんから、また、お小遣いもらえるよ。かあさんたちと行かないと、もらえないんだから。」

「お小遣いなんていらないよ。とにかく、ボクは行きたくないよ・・・」

 宮林家では、毎年、お盆休みに、家族で父親の真一の故郷・会津若松へ2泊3日の帰省をすることになっていた。そして、その年も、例年同様、両親は、夏休みの計画を立てていたのである。

 一方、真司も中学生となり、両親、妹二人とともに、家族旅行にでるのがやや鬱陶しい年ごろになったのだろうか、いつになく強硬に自分の気持ちを両親に主張してきたのであった。

 

 丸山家の居間。

 「おじいちゃんからのお小遣い」というエサでつっても引っかからなかった真司に母親・政子は真司を真一の実家へ連れていくことをあきらめたのか、隣に住む、実姉の恭子と、その夫の丸山良一に、自分たちが留守にしている間、真司を預かってくれるよう頼むのだった。

「ワハハハ!!おとなしい真司君もちょっと遅い反抗期ってところかな。いいですよ。兄さんたちがいない間、真司君をうちで預かりましょう!!」といつものデカい声で、義理の妹・政子の頼みごとを快く引き受ける丸山良一。

「兄さん、いつもわがままばかり言ってすいません。本人は大丈夫だって言うんだけど、真司一人を家に置いておくわけにはいかないので・・・。」と真司の母親の政子。

 政子の姉で、真司の伯母でもある恭子が、

「あっ、そうだ!!わたし、政子たちと、会津いっちゃおうかしら?どうぜ、車の席、あいてるんでしょう。久しぶりに、真一さんのご両親にもお会いしたいし。」

と言う。

「こ、こら、おまえ、ちゃっかり、そんなこと言って・・・・そんなことしたら、真一さんたちが迷惑だろ・・・」

「あら姉さんも来るんだったら、楽しくなるわ。全然、迷惑なんかじゃないですよ。」

「そうよ!あんた!わたしも、たまにはやすませてもらわないと。どうせ、お盆休みなんて、お客なんて誰もこなくて、毎年、開店休業状態なんだから!ね!いいでしょう!?」

「しよーがーねーな・・・」

と、夫の良一も苦笑い。息子たちのわがままには厳しい良一オヤジも、かみさんのわがままにはチト弱かったようだ。

 こうして、真司は、お盆休みの3日間。良太の家で過ごすことになった。小学生の時、従兄の良太と同じ少年野球チームに入って以来、良太のやんちゃになにかと巻き込まれて、良一オヤジから、良太兄ちゃんとともにしばしばお仕置きを受けてきた真司。その夏休みも、真司のプリッとしたかわいい桃のようなおケツの上には、暗雲ならぬ、超ド級のカミナリ雲がたちこめつつあったのである。

 

二、落花生の熟れ具合

ミーン!ミンミンミン!ミ〜〜〜ン!!

 お盆休み。丸山家2階にある丸山良太と、兄・丸山良太郎の部屋の窓はすべて開けっ放し。窓からは蝉の声が響いてきていた。

「あ〜、あっちぃ〜〜、オヤジもずるいよな・・・自分たちの部屋にはさっそくクーラーつけちゃって、オレたちの部屋にはいつまでたってもクーラーなしなんだから・・・これだったら、早く就職して、自分で稼いだ金でクーラー買った方がはぇーや・・・」

 そんなことをつぶやきながら、丸山良太郎は、うちわをパタパタとあおぎながら、額とアソコに汗をにじませながら、ちょっとエッチな青年漫画雑誌を読んでいた。

 そして、蝉の声に交じって、パン!!パン!!と小気味のよいキャッチボールの音も響いてくる。良太郎は、その音を聞いて、

「あっ、あいつら、オレの硬球でキャッチボールしてやがる・・・」

とつぶやくと、開け放たれた窓から顔を出して、

「オイ!!良太!!気をつけてやれよ!!それで酒の瓶割ったら、ただ事じゃすまねぇーからな!!」

と言うのだった。

 下からは、

「大丈夫!!大丈夫!!」

との良太のいつもの声が聞こえてくる。

「ったく、あいつの大丈夫はあてになんねーからな。」

 良太の兄、良太郎は、県立商業高校の3年生。つい先月まで、硬式野球部の主将を務めていた。夏の県大会の決勝戦で、県立農芸高校に惜敗し、甲子園行きを逃しており、硬式野球部はすでに引退していた。高校卒業後は、大学へは進学せず、オヤジの商売を継ぐべく、隣県にあるオヤジの知り合いの酒屋へ修行に出ることがすでに決まっていた。

 良太郎は、丸山家では一番の長身で183cmほど。真っ黒に日焼けして、少し伸びた丸刈り頭。「県立商業硬式野球部 丸山」と腰のところに臙脂色で刺繍されたやや長めの黒短パンに、白いTシャツが似合っていた。もちろん、短パンの下は、白ブリーフ。真夏ということで、良太郎の白ブリの中は、もうムレムレ。良太郎は、右手を短パンにつっこんでは、白ブリの股間を、時々、ボリボリと搔いている。

 弟の良太を注意した後は、再び、自分の机の前で、ちょっとエッチな青年漫画雑誌に没頭し始める。その漫画に描かれた女性の豊満な乳房。それをみて、良太郎の白ブリの中のイチモツは、すぐにビンビンにおっ勃起ち、黒の短パンの股間に、見事なピラミッドをつくっている。弟の良太と、お盆休み期間中、隣家から泊まりに来ている従弟の宮林真司が部屋に戻ってくる前に、ひとりHに興じたいと思いつつあるところだった。

ミーン!ミンミンミン!ミ〜〜〜ン!!

 そんな中、そのエロい気分と、うるさいほどの蝉の声を打ち消すかのような音が、下の方から聞こえてくる。  

ガッチャァ〜〜〜〜〜ン!!!

 ガラス瓶がド派手に割れる音だ。

「コラァ!!!なにやってんだ!!」

 そして、オヤジのいつもの怒鳴り声も聞こえてくる。

「あー、あいつら、やらかしやがった・・・。」

 良太郎は、そう言って、部屋の窓から良太たちの様子を見下ろすのだった。

「おい!!良太郎!!そこで高みの見物してねーで、おりてきて手伝ってくれ!!こいつら、日本酒の瓶、派手わりやがった・・・」とオヤジの声。

「はい!!」と良太郎の返事。商売を継ぐことになっているオヤジの命令は、良太郎にとっては絶対だ。そして、オヤジは、同じ高校の硬式野球部の大先輩でもある。中学校までは、悪ガキでやんちゃだった良太郎も、県立商業高校に進学し、硬式野球部に入部してからは、監督、コーチ、そして、先輩たちの「躾」によって、随分と丸くなった。また、良太郎自身の野球部での経験から、県立商業高校・野球部のシゴキに耐えたオヤジのことを、中学生の時よりも、ずっとリスペクトするようになっていた。

「ったく、おまえら、これ一本、いくらすると思ってんだ!!あとで、たっぷりとこらしめてやるからな!!そこで正座して待ってろ!!」

と、良一オヤジは、良太と真司に命令するのだった。もちろん、その正座には、危険な割れ瓶に、良太と真司を近づかせない意図もあった。

「はい・・・」

「はい・・・」

と真っ赤な顔で返事をして、倉庫前のコンクリートの地面に正座する。「丸山酒屋」の店舗兼母屋と倉庫の間の「中庭」の地面は、土であったが、倉庫に近いところは、倉庫内から続くコンクリートであった。

 良太と真司は、まさにお揃いの、中学生らしい市立三中ジャージに上はTシャツで正座している。野球部・夏合宿直後だけあって、顔は真っ黒に日焼けして、両腕や胸の部分には、野球のユニフォームの日焼け痕がクッキリと残っていた。真夏の太陽に照らされたコンクリートの放射熱が、良太と真司の股間のあたりにジンジンと伝わってくるのだった。

「もう、シンジがキャッチボールやりたいって言うから、いけないんだぞ!!シンジ、あのくらいのボール、しっかりとれよな!!」

と、良太はいつものように真司へ責任転嫁しようとする。

 それを聞いて、真司は、いつものように、

「えっ・・・・」

と絶句し、さらに困ったような顔をする。

ガッツゥ〜〜ン!!

 そんな良太の丸刈り頭を強襲したのは、2階から降りてきたばかりの兄・良太郎の無言の拳骨だった。

「い、いてぇ・・・に、兄ちゃん・・・ご、ごめんなさい・・・グスン・・・」

 良太は両手で頭を押さえながら、すでに半べそをかき始めている。中2の良太にとって、高3の兄・良太郎はオヤジ以上に怖い存在なのか、オヤジの時のように、甘えて、不平不満を言うことなく、素直に謝るのだった。

 いつも真司のことを「しんちゃん」と呼び、真司にはやさしい「大きい兄ちゃん」こと良太郎。そんな大きい兄ちゃんが、「良太兄ちゃん」に強烈な拳骨を加えているのをみて、思わず、身構える真司。自分の丸刈り頭にも一発、大きい兄ちゃんの拳骨が飛んでくるのではと思う。しかし、良太郎は、割れた酒瓶の方へと向かい、オヤジとともに、その後片付けを始めるのであった。良太の隣で正座している真司は、自分の横をスルーして行った大きい兄ちゃんの太ももを脇目で見ながら、ちょっとさびしそうな表情を見せるのだった。

 しばらくして、割れた酒瓶の掃除が終わると、オヤジが長男の良太郎に、

「良太郎!!床の間からバットもって来い!!」

と命令する。「はい!!」と良太郎の返事。良太郎は、緊張した面もちで、オヤジが県立商業高校・硬式野球部時代の恩師・不来方(こずかた)監督から頂戴したノックバットを取りに行くのだった。

 「えーー、ケツバットなんて・・・グスン・・・きびしすぎるよぉ・・・」とつぶやいて、思わず両手をジャージのケツの方へと持っていき、がっくりと肩を落とす良太。

 良太の甘ったれた泣き言を聞いたオヤジは、良太たちが正座している前に来て、

「あたりまえだ!!覚悟しとけ!!大切な店の商品、5本も割りやがって!!ったく、いくらすると思ってんだ!!」

と、倉庫においてある在庫商品が例え1本であってもいかに大切なものなのかを説教し始めるのだった。

 一方、良太の隣で正座している真司は、良太のオヤジ、すなわち、義理のおじさんの説教をききながら、おじさんから「おまえら、わかってんのか!!」と言われれば、「はい!!」と神妙な面持ちで応えるのだった。

 そして、ほどなくして、良太郎が、床の間にうやうやしく飾ってある赤いノックバットを持ってくる。鮮やか赤色バット。その太くなった「打球部」、いや、それはもはや「打ケツ部」と呼んだ方がふさわしいであろうその部分には、黄色い文字でデカデカと「人生、調子にのるべからず」と不来方監督から教え子であるオヤジさんへの人生訓が描かれている。その「打球部」、もとい、「打ケツ部」は、これまで何度も息子たちのしつけ用に使われて来たからであろうか、他の部分より、赤黒いくテカってみえる。

 真司は、大きい兄ちゃんこと良太郎が持つその赤いバットをみて、緊張した面持ちとなり、ゴクリと生唾を飲み込み、ケツバットを覚悟する。良太兄ちゃんがおじさんからのケツバットを受けるのを見たことはあるが、己のケツにそのバットを受けるのは、真司にとって、その時が初めてであった。

「はい・・・オヤジ・・・」

と言って、その赤いノックバットをオヤジに手渡し、そのまま、母屋に戻ろうとする長男・良太郎に、オヤジは、

「バカ野郎!!おまえもケツバットだ!!」

と怒鳴りつける。

「えっ・・・なんでだよ?」

「良太に硬球を使わせた罰だ!!」

「だって、あれは良太が勝手に・・・」

「そんなの言い訳にならん!!おまえの管理が悪い!!」

「わ、わかったよ・・・」

 県立商業高校・硬式野球部では、部室内、部室周辺、そして、練習後のグランドなどに、野球部の備品である硬球が1球でも落ちていれば、連帯責任のケツバットとなる。野球部でボール管理の大切さを徹底的に仕込まれている良太郎は、オヤジの命令に従わざるを得なかった。

 良太郎は、潔く、黒短パンと白ブリーフを脱ぎ捨てると、オヤジの方にケツを向け、

「シドーーネガイシャス!」

と、オヤジにケツバット指導を願い出るのだった。「シドーーネガイシャス!」は、「ご指導お願いします!!」のことだが、「指導」の部分をやや強調しつつゆっくりと言い、あとは短く一気に言うため、「シドーーネガイシャス!」に聞こえる。

 自分たちが正座している目の前で、Tシャツ一枚、下はフリチンで、両足を踏ん張るようにしてケツを後ろに突き出している良太郎。良太郎は、良太と真司が正座している方を向いて、ケツを突き出している。そのため、良太郎の股間は、良太と真司には丸見えだった。それほど毛深くはない股間に垂れ下がる良太郎のやや包茎気味の竿。良太郎の鍛えられたガタイに比べて、それはまだまだ成長途上であった。

「よし!!行くぞ!!」

 オヤジは、そういうと、長男・良太郎のケツを、構えたバットで、

ベチン!!ベチン!!ベチン!!ベチン!!ベチィ〜〜ン!!

と、5発連続で容赦なく打ち据える。一発ごとに、顔を紅潮させていき、つらそうな表情になっていく兄・良太郎。良太も真司も、オヤジのバットが兄貴のケツをベチン!と強襲する度に、肩をすくめ、両目をギュッと閉じてしまう。一方、さすがは、県立商業高校・硬式野球部で鍛えられた兄貴である。毎打、微動だにせず、オヤジのバットを、己のケツでしっかり受け止めているのだった。

 オヤジから指導を受けた良太郎は、「ありがとうございました!!」と気合の入った大声でオヤジの指導に感謝すると、上体を起こし、回れ右し、今度は、

「ボール管理がなってませんでした!!すいませんでした!!」

と言って、オヤジにペコリと頭を下げるのだった。野球部で先輩や監督からケツバットを受ける時の習慣なのだろうか、頭を下げる際、右手で、今は被っていない帽子をとるようなしぐさをする良太郎。そんな長男・良太郎の下半身フリチンで立つ姿を、オヤジは、上から下まで、じっくりと眺めるようにみて、満足そうにうなずくと、「よし!!あとの二人が済むまで向こうで正座してろ!!」と言うのだった。

 良太郎は、正座するため、今度は、オヤジの方にケツを向けて、良太の隣へと行く。オヤジは、自分のバットの指導痕が横一文字にクッキリついた長男のケツをみて、再び、満足そうな表情をするのだった。  

 良太郎は、弟・良太の前にくると、再び、無言で、 ガッツゥ〜〜ン!!と、弟の坊主頭に拳固を振り下ろす。そして、良太郎は、「いってぇ・・・」とつぶやくように言うと、下はフリチンのまま、ケツを刺激しないように、そぉっと良太の隣に正座する。しかし、倉庫前のコンクリートが熱かったのか、思わず「あちぃ!!」と言って、腰を浮かすのだった・・・。

 一方、兄貴から本日2発目の拳骨を食らって、

「兄ちゃん、いってぇよ・・・拳骨しないでよぉ・・・さっき、あやまったよぉ・・・グスン・・・」

と、泣き言の良太。痛そうに丸刈り頭を両手でさする。しかし、そんな良太に、オヤジの同情はなかった。

「良太!!何、グズグズ言ってんだ!!お前の番だ!!トットとこっちへ来い!!」

「は、はい・・・・」

 良太は、しびれた足のまま、ややぎこちなく立ち上がると、「お仕置きの時、ケツは丸出し」の丸山家のルール通り、市立三中のスクールジャージと白ブリーフを脱ぐと、兄貴・良太郎と同様に、オヤジのバットの前にケツを突き出し、

「シドーーネガイシャス!」

と挨拶するのだった。

 今度は、大きい兄ちゃんに比べれば、かなりジュニアなホーケーチンコが垂れ下がる良太兄ちゃんの股間が、真司の前に晒される。少し離れて大きい兄ちゃんこと良太郎が正座しているとはいえ、自分が正座しているすぐ隣にいたはずの良太兄ちゃんが自分の前に立っている。隣にポカンと開いてしまった空間。それを意識して、真司は、もうすぐ自分もフリチンになっておじさんから指導を受けるのだと思う。真司の心臓はドキッ、ドキッといままでよりも大きく鼓動を打ち始めるのだった。

 そして、長男・良太郎の時と同様に、オヤジ良一は、ノックバットを構えて、良太のケツに狙いを定めるのだった。

ベチン!! 良太兄ちゃんのケツに一発目の指導が入る。

「あーあ・・・とうさんやかあさんと、おじいちゃんちに行った方が楽しかったのかも・・・」

ベチン!! 良太兄ちゃんのケツに二発目の指導だ。良太兄ちゃんの右足が一歩前に出て、おじさんが怒鳴っている。

「でも、おじいちゃんちに行きたくないって、わがまま言ったの、ボクなんだし・・・・」

ベチン!! 良太兄ちゃんのケツに三発目の指導。良太兄ちゃん、つらそうに唸っている・・・。

「でも、おじいちゃんちに行ってれば、おじさんからお尻叩かれることもなかったかも・・・・おじさんのケツバットこわいよなぁ・・・」

ベチン!! 良太兄ちゃんのケツに四発目の指導。良太兄ちゃん、真っ赤な顔で、もう泣きそうだ・・・。

「でも、キャッチボールことわれなかったのボクだし・・・それに、ボクも、ちょっとだけ、硬球でキャッチボールしてみたかったし・・・良太兄ちゃんの球、捕れなかったのボクだし・・・」

ベチン!! 良太兄ちゃんのケツに五発目の指導。

バサァーーーー!!うわぁ・・・良太兄ちゃん、ぶっとばされた・・・。

「オラァ!!良太!!何してんだ!!やりなおーーし!!戻ってケツ出しなおせ!!」

 オヤジのバットでケツをぶっ飛ばされた良太の顔が、真司の両膝小僧の間にちょうどやってくる。見上げる良太と見下ろす真司の目と目が合う。良太は目にいっぱい涙をためていた。それを弟分の真司に見られたが悔しかったのか、良太はすぐに目をそらすと、なにクソと言わんばかりに、              

「はい!!」

と怒鳴るように返事をして立ち上がり、再び、

「シドーーネガイシャス!」

とオヤジに挨拶して、生ケツを後ろへプリッと突き出すのだった。良太の土で汚れた股間が、再び、真司の目の前に晒される。

ベチィ〜〜〜ン!!良太兄ちゃんのケツにやりなおしの五発目。

「良太兄ちゃん、がんばった・・・よし!!ボクも、大きい兄ちゃんや良太兄ちゃんみたいに、お酒の瓶を割っちゃった罰を、おとこらしく受けるぞ!!」

「ありがとうございました!」

と言って、苦しそうにかがみこんでしまう良太。

「良太!!甘えるな!!早く、戻って正座しろ!!」と厳しいオヤジ。

 良太はどうにか立ち上がって、真司の隣に戻り、「いてぇ・・・」とつぶやきながら、良太郎兄貴と同様に、フリチンのままどうにか正座する。「ち、チンコ、あっちぃ!!」と叫び、腰をうかせ、正座チンポジを修正する良太。どうやら、良太のホーケーチンコの先端が、夏の太陽で熱せられたコンクリートに触れてしまったようだ。

「よし!!次は真司君だ!!こっちへ来い!!」

と言って、バットを前に構えて仁王立ちの良一おじさんが真司を呼ぶのだった。

「・・・ゴクン・・・・は、はい・・・」と、生唾を飲み込み、覚悟を決めて返事をする真司は、どうにか立ち上がり、良太兄ちゃんがやったように、市立三中ジャージと白ブリーフを脱いでフリチンとなり、しびれた足を引きずりながら、おじさんの前へと進み出るのだった。

 ところが、おじさんは、息子二人の時とは打って変わった優しい声になり、倉庫の前に逆さにして置いてあった黄色いビール瓶ケースを持ってきて、そこに座り、

「よぉーし、真司君は、こっちだ!!」

と言って、人差し指でひざ上を指し示すのだった。

 いままで、おじさんの膝上では生ケツ平手打ちのお仕置きを受ける時、真司は、ガックリと肩を落としつつも、良太のように最後の最後まで言い訳して渋ることなく、すぐに膝上に乗って、かわいいプリッとしたケツを上に向け差し出してきたのであるが、その時は、何かを考えている様子で、突っ立ったままだった。

「どうしたんだ?真司君。そのまま立ってたんじゃ、お仕置きは終わらないぞ・・・でないと、いつまでたっても、夕飯のバーベキューが始まらないぞ!」

「そうだぞ!!シンジ!!おとこらしく、早くケツだせよ!!」

 バーベキューと聞いて、テンションが急上昇したのか、正座している良太が、真司に野次を飛ばす。

「うるせぇ!!おまえは黙ってろ!!」とオヤジの一喝。

 それでもまだ突っ立ったままで膝上に乗ってケツを出そうとしない真司。そんな真司の様子を上から下まで眺める良一おじさん。

 良太と同じTシャツを着て、下はフリチン。学年は1年違いだが、良太よりも小柄な真司は、まだまだ小学生といった風貌。鼻の下には、うっすらと髭も生えてきている様子だったが、それよりずっと下の方はまだまだだ。よくよく見れば、ニョロリと数本、陰毛が生えてきている程度だった。

 と、いきなり、良一おじさんは、何を思ったのか、 

ビコ〜〜ン!ビコ〜〜ン!!

と、真司の股間からかわいく飛び出ている真司のチンコを指で弾くのだった。

「あっ・・・」

と、声をもらし、思わず腰を引く真司。

 真司の股間にかわいくちょこんとピーナッツのように飛び出している真司のホーケーチンコ。しかし、第二次性徴が始まった証だろうか、その先端から湧き出すように出てきてしまっている白いカスのような固形物。

「うん・・・?」

 良一おじさんは、そのピーナッツの熟れ具合を確かめるかのように、もう一度、

ビコ〜〜ン!!

と真司の股間のイチモツを弾くのだった。再び、ちょっと恥ずかしそうに腰を引く、真司。

「おっと・・・」

 真司のピーナッツの先端についていた白いチンカスが、弾いたはずみで、おじさんの指についてしまう。おじさんは、苦笑いしながら、それを指から振り落とすと、

パァ〜〜〜〜ン!!

と己の膝を叩いて、

「さあ、真司君!!早くしなさい!!」

と、真司に早く自分の膝上に乗って生ケツを突き出すよう促すのだった。

 しかし、真司は、おじさんの膝上には乗らず、いきなり回れ右して、大きい兄ちゃんと良太兄ちゃんが正座している方を向くと、兄ちゃんたちがやっていたように、万歳して、やや上体を傾け、おじさんの方に、己のプリッとかわいい桃尻を差し出すと、デカい声で、

ドー、ネガイャス!!」 

と、まだ声変わりも十分でない小学生のような甲高い声で、良一おじさんに、ケツバット指導を願い出るのだった。

 そのあまりにもかわいらしいケツバット指導願い出に、後ろで正座していた長男・良太郎は、「プッ・・・」と吹き出してしまいそうになり、あわてて口を両手でおさえる。もちろん、オヤジも、笑いたくなるのを必死でこらえていた。

 真司は、真剣に、兄ちゃんたち2人と同じく、自分にもケツバット指導をしてほしいと思い、「ご指導お願いします!!」と言ってケツを出したつもりなのだが、まだまだ舌足らずな真司が言うと、「ドーネガイャス!!」に聞こえて、高3の良太郎と大人の良一には、かわいらしくて微笑ましくてたまらなかったのである。

 一方、野球部で、中1の後輩部員のまだまだ小学生のような甲高い声だしを聞きなれている中2の良太には、それがいつもの真司の声出しに聞こえたのだろうか。

「シンジ!!かっこつけるなよ!!おまえはまだまだ子供なんだぞ!!」と野次るのであった。

ガツゥ〜〜〜ン!!

 そんな良太の丸刈り頭に、三度、兄貴・良太郎の「おまえは黙ってろ!!」と言わんばかりの強烈な拳骨が落ちる!

「いてぇーーーにいちゃん、ごめんさない・・・」と両手で頭をおさえる良太。

「しんちゃん!!きこえねーぞ!!がんばれ!!」

と、大きい兄ちゃんの良太郎は、真司に、野球部の先輩らしい声援をかけてやるのだった。

 それを聞いて、真司は、さらにデカい声を張り上げて、かわいい桃尻をプルップルッ、プルップルッと揺らしながら、何度も何度も、

ドー、ネガイャス!!」 

ドー、ネガイャス!!」 

ドー、ネガイャス!!」 

と、後ろで座ったままの良一おじさんに、ケツバット指導を願い出るのだった。

「こんなちっちゃいケツ、オレのバットで殴ってしまっていいのだろうか・・・」

 中1の真司のケツは、1歳違いとはいえ、中2の息子・良太のケツより、1回り小ぶりな桃尻だった。良一は、義理の甥っ子のケツを眺めながら、まだ迷っていた。

ドー、ネガイャス!!」 

ドー、ネガイャス!!」 

ドー、ネガイャス!!」 

 長男の良太郎が再び、 「しんちゃん!!がんばれ!!」と真司に声援を送る。その声援は、良一オヤジにとって、「オヤジ、しんちゃんのケツ、バットで叩いてやれよ!」という声に聞こえた。やっと決心がついたのか、良一は、

「よし!!いくぞ!!しっかりふんばってるんだぞ!!」

と、真司に言う。

 それにこたえて、真司は、

「はい!!ドー、ネガイャス!!

と、再び、かわいらしくケツバット指導を願い出るのだった。

 良一おじさんは、立ち上がり、座っていたビールケースを脇へどかすと、恩師「閻魔の不来方」から「賜った」赤のノックバットを構えて、真司のケツに向けて、それを慎重に振り下ろすのだった。

ベチィ〜〜ン!!

「あっ!!」

バサァーーーー!!

 真司は、一発目からぶっ飛ばされてしまう。しっかりふんばっていたつもりだったが、おじさんの赤いバットは、真司の想像以上に重かったのである。

 良一おじさんは、「おっと・・・ちょっと強すぎたか・・・」と思う。中1といえども、真司も男の端くれ。覚悟してケツバットを願い出た真司のプライドを傷つけないように、手加減していると真司のおケツが気づかぬように手加減する・・・良一は、そのさじ加減の難しさを痛感する。

 ケツになにか熱いものがはっ付いたように、ジンジンとケツが痛かった。さっきおじさんからぶっ飛ばされていた良太兄ちゃんの悔しさが身に染みてわかる真司。見上げると大きい兄ちゃんが、黙って自分を見下ろしている。

「ちくしょう・・・」

 真司は、そうつぶやくと、すぐに立ち上がり、もとの位置につき、なにくそ負けるかとでも言いたげに、

ドー、ネガイャス!!」 

と叫ぶのだった。

ベチィン!!ベチィン!!ベチィン!!ベチィン!!

と、おじさんのバットが、真司のケツを四発連続で打ちのめす。一発、一発、尻もちをついたような感覚に、真司は、両目をギュつむり、両足をグッとふんばって耐えるのだった。熱い焼けるような痛みが少し遅れてジンジンと強まってくる。ケツをさすりたくて、「もうダメだ・・・」と思った時、後ろから、おじさんの、

「よし!!ラストいくぞ!!」

の声が真司の耳に飛び込んでくる。

「しんちゃん!!ラストだ!!がんばれ!!」と大きい兄ちゃんの励ましの声。

「あと1発か・・・ハァハァ・・・」

 そう思って、真司は大きく体で息をしながら、体に残った力を振しりぼるようにして、ぐっと奥歯をかみしめ、両足を踏ん張るのだった。

ベチィ〜〜〜ン!!

 おじさんのノックバットが、真司の桃尻のすでにピンク色に腫れている肉厚の場所を、再び、強襲する。

「うぅ・・・・」

 ケツを下から突き上げられるような圧力。真司は、つらそうな声を上げながらも、どうにかふんばって、ラストの1発に耐えたのであった。

「よし!!」とおじさんの声が後ろから聞こえてくる。

 真司は、ケツのちょっと上あたりに両手をあてながら、ぎこちなく、おじさんの方を向くと、土で汚れたチンチンを丸出しのまま、

「お酒の瓶をわってしまいました!!すいませんでした!!」

と謝罪して、ペコリと頭を下げるのだった。

 良一おじさんは、真司のその態度に満足そうにうなずくと、

「さあ、パンツとジャージを履きなさい・・・おっと、チンチンが汚れているな・・・ワハハハ・・・よし!今日は、真司君が一番風呂だ!!風呂入って洗ってきなさい。」

と言って、真司を風呂場へと先に行かせるのだった。

 真司はうれしそうに、

「はい!!ありがとうございます!!お風呂、お借りします!!」

と言って、母屋の方へ入っていくのだった。

 真司が母屋の中へ入っていくのを見届けると、良一オヤジは、長男の良太郎に、

「おい、良太郎・・・もう正座はいいから、ちょっと来てくれ・・・」

と声をかける。

「何?オヤジ?」

と、いぶかしげに、正座から立ち上がってオヤジの方へと近づく良太郎。

 そんな良太郎に、良一オヤジは、まだ正座している良太に聞こえないように、

「あのな・・・真司君のチンチン・・・そろそろ剥いてやった方がいいんじゃないのか?」

とささやくように言ってくるのだった。

「お、オヤジ・・・そ、そんなこと、オレに言われたって、しらねーよ・・・自然に覚えるか、真一おじさんがおしえるんじゃないのか?」と顔を赤らめる良太郎。

「バカ野郎・・・なに恥ずかしがってんだ・・・男にとって大切なことだろう・・・いや、ちょっと心配でな・・・あの子は、うちの良太と違って、ちょっと晩生みたいだからな・・・」

「だったら、自分で教えてやれば?」

「まあ、そんなこと言わずに、これからちょっと風呂に行って、教えてやってくれ・・・オレよりもいいだろ、お前の方が。」

「わかったよ・・・じゃあ、久しぶりに、しんちゃんと風呂でも入るか!!」

「えっ、オレも風呂に入りたい!!」とまだフリチンのまま正座している良太が、割り込んでくる。

ガツゥ〜〜〜ン!!

「いてぇーー、なんで殴るんだよぉ・・・もう罰は終わりだろ・・・」

と、本日、4発目の兄貴の拳骨に、両手で頭を押さえながら、口をとがらせる良太。

「バカ野郎!!今日一番悪いのはおまえだぞ!!夕飯までそこで正座して反省してろ!!グズグズいってると、バーベキューの夕飯も抜きにするぞ!!」

とオヤジ。

「は、はい・・・ごめんなさい・・・」と、バーベキューを抜きにされてはかなわんと、良太も神妙な面持ちですぐに謝るのだった。

「じゃあ、良太郎、頼んだぞ!!」

「ああ・・・わかったよ・・・」

 そういいながら、長男・良太郎は、ケツバットを受ける前に脱いだ白ブリーフと黒短パンを右手に持ち、フリチンのまま、丸山家・母屋一階の風呂場へと行くのだった。

 

「あー、お尻痛くて座れないよぉ・・・」

 真司は、おじさんから受けたケツバット指導が予想以上にきつかったことを、己のケツの状態から自覚する。風呂場の椅子には、尻が痛くて座ることができず、立ったまま体を洗っていた。

「しんちゃん・・・入るぞ!!」

 そこにガラッと風呂場の扉を開けて、良太郎が入ってくるのだった。

「あっ、大きい兄ちゃん・・・」

「ケツ痛いか?」

「う、うん、ちょっとだけ・・・」

「どれ、みせてみ・・・あー、バットの痕がクッキリ残っているな・・・あとで冷やしてやるからな。」

「う、うん・・・ありがとう。」 

 真司は、大きい兄ちゃんのでっかいプリッとしたケツを見る。大きい兄ちゃんのケツにも両ケツペタに渡ってクッキリとアザがついていた。真司は、大きい兄ちゃんのケツにも、自分のケツと同じアザがついていて、ちょっとだけうれしくなるのだった。

 そして、真司は、自分の体を洗い始める。大きい兄ちゃんは、風呂場の椅子に座って、浴槽からお湯を汲み始める。

 やがて、真司が下半身を洗い始めた時、大きい兄ちゃんが、ニヤッと笑って、

「しんちゃんは、チンチン、しっかり剥いて洗ってるか?」

と聞いてくるのだった。

「えっ?剥くの?」

 不思議そうな顔をして大きい兄ちゃんの方を見る真司。

「ああ、男は誰でも、チンチン、剥いて洗ってるんだぞ!」

 大きい兄ちゃんは、そういうと、真司の方に向かって立ち、己のまだまだホーケーではあるが、真司よりも成熟している竿を見せ、その包皮を右手の親指と人差し指で持って、後ろの方へ剥きあげてみせるのだった。

「うわぁ!」

 真司は、ビックリしたように、両目を大きく見開いて、大きい兄ちゃんのチンチンの剥きあげられて露出した亀頭を見つめるのだった。

「しんちゃんも、やってみろよ!」

「う、うん・・・」

 真司は、大きい兄ちゃんがやったように、己のピーナッツのような、まだまだかわいい竿を、右手の親指と人差し指で持つと、それを後ろへ引っ張るようにする。

「いっ、いたい・・・」

 真司の亀頭の先端がちょっとだけ露出する。そして、亀頭を覆うようにたまっている白いチンカスも溢れるようにでてくるのだった。

「痛くて、それ以上、剥けないか?」

「う、うん・・・大きい兄ちゃんみたいにしないとダメなの?」

「うん、そうだな・・・しんちゃんが高校生になるころまでにはそうなった方がいいかもな・・・風呂に入った時、少しずつでいいから、剥くようにしたほうがいいぜ!!」

「う、うん!!」

「今日はここまでにしとくか・・・」

「う、うん・・・」

「ああ、白いカスが結構、でてきちゃってるな・・・そこだけ、洗ってやるから、チンコ前に突き出して、ジッとしてろよ!」

「う、うん・・・」

 良太郎は、シャワーの設定温度をぬるま湯にして、真司の竿の先端に、やさしくシャワーのお湯をかけてやるのだった。そのとたん、

「あっあぁ・・・」

と声を出し、真司はあわてるように両手で、己の股間を押さえるようにする。良太郎がかけてやったそのシャワー刺激は、真司のまだまだ未熟な竿にはやや刺激が強すぎたようだ。真司の股間にぶら下がるピーナッツのような竿が急に上を向き、ピクッ、ピクッと跳ねるように動いたかと思うと、その先端から白濁した粘液が、ピュッピュッと風呂場の床に飛び散るのだった。風呂場に、青臭い鼻をつくような臭いが漂う。

「おっおお!!しんちゃん、元気いいな!!たまってたんだな!!」

「ご、ごめんなさい・・・」

 真司は、大きい兄ちゃんから怒られると思ったのだろうか、なにかとてつもなくいけないことをした時のような顔をして、下を向いてしまうのだった。真司の顔は耳まで真っ赤だった。 

「ワハハハハ!!!あやまらなくてもいいんだぞ・・・男は誰でも、チンチン刺激されると、ドピュって精子が飛び出てくるんだ!!」

「えっ・・・」

「初めてなのか・・・チンチン、さっきみたいになったの・・・」

「寝てるとき、変な夢見て、そうなったことあるけど・・・起きてる時は、初めて・・・」

「気持ちよかったか?」と、良太郎はニヤっとして、真司に聞いてくるのだった。

 その質問に、真司はさらに顔をあからめて、

「う、うん・・・気持ちよかった・・・」

と素直に答えるのだった。そのあと、真司は、風呂場で、大きい兄ちゃんから、己の股間にぶら下がる男性自身のヒ・ミ・ツについて、実技指導を受けるのであった。

 

 おケツはちょっと痛かったけど、丸山家の「中庭」での楽しいバーベキュー夕飯が終わり、良太と真司は、部屋に戻って、良太郎からケツを冷やしてもらうことになる。といっても、うつ伏せに寝て、ジャージと白ブリーフをひざまでおろして、おケツをペロンと出し、そこに濡れタオルをのせてもらうだけだった。

 真司が丸山家にお泊りの時、良太郎と良太の部屋の二段ベッドは、良太郎用の上段に真司が寝て、下段がいつものように良太、そして、良太郎は寝袋で就寝することになっていた。

 真司は、良太兄ちゃんよりも、ちょっとだけ男くさい、大きい兄ちゃんの思春期男子臭プンプンの上段ベッドで寝るのが大好きだった。まじめな真司は、もかしたら、夢の中で、その日、風呂場で大きい兄ちゃんから教わったことを復習して、大きい兄ちゃんのベッドマットを汚してしまうかもしれなかった。でも、やさしい大きい兄ちゃんはきっとゆるしてくれるに違いない。そんな大きい兄ちゃんの兄貴臭に包まれながら、真司は、安心したようにスースーと、濡れタオルがのったおケツを上に向けたまま、眠りに落ちるのだった。

 ああ、天動説にチドー説。どちらが正しいかは知らないが、その日、真司のケツ叩き体験は、コペルニクス的転回をむかえたことだけは確かだったのである。

 

三、エピローグ おじいちゃんの祝儀袋

 会津若松・宮林家の居間。

「すいません・・・おとうさん・・・真司、急にこれなくなっちゃって・・・・」と、真司の母・政子が、申し訳なさそうに、舅・宮林慎太郎に謝るのだった。

「そうか・・・真司は来ないのか・・・野球部の練習は休みなんだろう・・・」と、慎太郎はガッカリしたような顔で言う。

「えっえぇ・・・一応、休みなんですけど・・・」と、口ごもる嫁。

 嫁のその反応を聞いて、少し考え込むような顔をする慎太郎。しかし、すぐに何かを悟ったように、

「そうか、そうか・・・真司も大人になったっんだな・・・」

と、少しうれしそうな顔をして言う。

 そして、真司の祖父・慎太郎は、立ち上がって奥の部屋に行き、しばらくして戻ってくると、

「政子さん、これ、お祝いだ・・・真司に渡してください。」

と言って、祝儀袋を嫁の政子に渡すのだった。

「と、とうさん、何のお祝いだよ。真司が高校に入るのは、まだまだ先だぞ。」という息子の真一。

「おまえはいいから、黙ってろ・・・頼んだよ、政子さん、私からだといって、これを渡してください。」と父・慎太郎。

 その祝儀袋には、1万円札が1枚入っていた。その年以来、真司が、母親たちとともにおじいちゃんの家を夏休みに訪れることはなかった。しかし、その代わり、今度は、おじいちゃんが、毎年、真司の野球部の練習が休みの日を見計らっては、真司たちの家を訪れたという。そして、年々、大人になっていく真司の成長をその目で確かめては、1万円の入った祝儀袋を真司に渡して帰っていったという。 

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