第4章 風呂場への全裸大行進 

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「え〜、そんなことするんですか!」

 同部屋の2年生の宮元先輩から、昨日、一番最初に酔いつぶれた罰として、来年4月、新1年生たちの前で、フリチンの自己紹介のお手本を示さなければならないことを教えてもらい、大志は、真っ赤になり、はやくも泣きそうな顔になった。

 もう半べそ顔の大志に、宮元先輩はニヤニヤしながら、 

「自己紹介する時はだな、真っ裸になるのは当然として、あらかじめチン毛をツルツルに剃って、この青いリボンを蝶ネクタイをつけたように、おまえのチンチンに結ぶんだからな。それから、藤沢ってお前の苗字も黒マジックでしっかり描くんだぞ!」

と説明する。 

 さらに困ったような顔をしている大志を慰めるかのように、宮元は、大志の肩に手をやり、

「まあ、そんなクヨクヨすんな・・・オレだってできたんだから、オマエにだってできる、できる・・・それに、この寮に1年間いりゃあ、人前で全裸になることくらいどうってことなくなるからさ!まあ、1年の前でひとりでやんなきゃいけねぇから、ちょっと恥ずかしいけどな・・・。」

 大志は、「はい」と答えたものの、「どうしようかなぁ、やだなぁ、高校は男ばっかだったけど、全裸で廊下歩いてたヤツはいなかったよなぁ〜。それに、修学旅行のときだって、風呂ではみんなタオルで前かくしてたよなぁ〜。S大の寮生の人って、どうなっているんだろう。恥ずかしくないのかなぁ?あ〜、なんで寝ちゃったんだろう!酒が弱いのは、オヤジからの遺伝だよなぁ・・・・。」

と心の中で思うのだった。

 そんな大志にとって、新入生教育期間の初日の入浴は一生忘れられないものとなった。

 その日の午後7時、鬼頭先輩の命令通り、1年生全員が、寮食に再び集まった。

 鬼頭先輩は、

「今日からお前らも、寮生の一員なのだから、寮のやり方に従って風呂にはいってもらう。」

 と言い、続いて、

「まず、居住区(自分たちの部屋のこと)で全裸になる。洗面器(中には風呂道具一式入り)とバスタオルを持ち、サンダル履きで風呂場へ向かうこと。」

「前をかくしたりしてはだめだからな。風呂はサンダルを履いたまま入れ。立ったままシャワーで身体を洗う。1年生も浴槽にはいってもよいが、他の学年の 奴らも入っているからな、迷惑にならないよう気をつかえよ。」

「寮風呂の浴槽は深いから、中腰か立ったままで入るように。湯船にタオルを持ち込むことは、厳禁だからな、ここでも、前を隠したりするな!タオルは頭において、湯船につかるように。居住区へ戻るときは、きちんと身体を拭いてからにしろ。」

「なんで風呂の更衣室は使わないんですか?」

 1年生の1人から質問がでる。鬼頭先輩は、めんどくさそうな顔をしながらも、

 「風呂場に更衣室があるのに、部屋で全裸になる理由は、 盗難などにより寮内に余計な波風がたたないようにするためだ。また、風呂にサンダルを履いたまま入るのは、実際の航海で裸足のままだと、出航中、例えばシケの時などに滑ってあぶないから、それに慣れるためだ。どちらも、S大の伝統だから、あれこれ理屈をいわず、しっかり守るように。」

 さらに、別の1年生が、

「なんで、前を隠してはだめなのですか?」

と質問する。まわりから大爆笑がおこる。

「ばかもん!船乗りは、自分の持ち物に自信を持てということだ。くだらんこと質問せずに、さっさと、居住区へもどり、風呂の準備をしろ!」

と、鬼頭先輩はその質問を一蹴するのだった。

  初日のみは、風呂場が混雑しないよう、交通整理のため、1年生4〜5人が4年生ひとりに先導されて、各階の部屋から風呂場まで、もちろんフリチンで、行くことになった。

 昨日の夜、自分が目にした全裸で堂々と廊下を闊歩していた先輩たちは、風呂場に行くところであったことがやっとわかる大志。そんな大志は部屋で、

「マジで、ここで裸になるの?恥ずかしいなぁ。」

と、モジモジしていた。すでに、トランクス一丁の山田先輩は、

「なにグズグズしてるんだ、大志。早く脱いで廊下に出ろ。」

と促した。

 大志は、自室の203号室で鬼頭先輩から言われた通りに「準備」をし、部屋の前に素っ裸で立って、待機する。隣の部屋202号室の1年生川原も、すでに素っ裸で準備万端。隣の大志に気が付くと、ニッとわらって、右手でピースしてきた。

 無意識のうちに両手で股間を隠している大志は、「何こいつ。平気なのかなぁ?」と思った。そんな大志をみて、

 「ほら、前は隠すなといっただろ。男なら堂々としろ!さ、行くぞ。」

と先導役の山田先輩が部屋から出て来た。先輩は、股間には立派に毛が生えそろい、短パンの日焼け跡で、 白いケツの部分以外はこんがりと浅黒く日焼けし、がっしりした体格だった。

 4年生の背中を眺めながら、4年生に比べると背だけはヒョロヒョロと高いがまだ肌の色が白くて貧弱そうにみえる4人の1年生たちが、風呂場へと行進していく。羞恥心からか、さきほどの注意も忘れ、両手やタオルや洗面器でなにかと前を隠そうとする1年生たちには、今度は、廊下ですれ違う上級生たちが「オラ!前を隠すな!男だろ!」などと、口々に注意していく。

  大志は、山田先輩の逞しい肉厚のケツを眺めているうち、アソコが半立ちの状態になってしまった。「やべ!」と心の中で思い。必死で己の股間にぶらさがる男性自身を鎮めようする。しかし、真っ裸でやけに股間がスースーするため、大志のイチモツは、さらに元気になってきてしまう。もちろん、先輩と次々にすれ違うため、前を隠すこともできない。すれ違う先輩からは、ニヤニヤジロジロみられ、「よぉ!元気だな、お前」とからかわれてばかりだった。

 前を歩ている山田先輩がチラリと後ろをみて、大志の股間に目をやりニヤっとする。山田先輩のプリッと盛り上がったケツをみて、己の竿が元気になってしまったことが、山田先輩にバレてしまったに違いないと大志は思い込み、大志は、耳まで真っ赤になるのだった。

 そんな大志も、やがて風呂までの全裸行進が日常のものとなり、1年生教育期間終了頃には、先輩たちにならいタオルを肩にかけただけのフリチンスタイルで、己の股間のイチモツを堂々と晒しながら、風呂場までの闊歩ができるようになっていた。

第4章 終わり

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